days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか


読んだのは昨夏だった新書なので今更ですが、ご紹介しましょう。
昨年は個人的にはフィクション系も大当たりの年で、その内の何冊かはこちらのblogでもご紹介しました。
一方、ノンフィクション系で個人的に大きい存在だったのが本書。
昨夏、ツイッターを始めた直後については、こちらの記事にしています。
今ではフォロワーも100人程度いるので、何かつぶやくと反応がある場合もあって、つぶやく楽しさも感じていますね。
「もう暫くは続けてみようかと思っています。」などと書いていましたが、今やツイッター無しでは生きられません(笑)。


さて、ツイッター開始早々に読んだ本書は、何度か拙blogでも取り上げているジャーナリスト上杉隆の著。
そもそも私がツイッターに興味を持ったのは、上杉隆に注目していたらこの人がツイッターで色々とつぶやいていたのを知ったからなのですね。
記者会見のリアルタイム中継や、自分のblog更新などの通知等、しょっちゅうつぶやくので読んでいて面白かった。
そしてこの人が書くのなら…と読んでみたら、これがツイッターもジャーナリズムも興味のあった私にはうってつけの本だったのです。


本書は副題が「マイクロジャーナリズムが政治とメディアを揺らす8つの話」といいます。
8人のツイッター使いと上杉との対談になっており、登場するのは水道橋博士(タレント)、原口一博民主党議員)、山本一太自民党議員)、世耕弘成自民党議員)、逢坂誠二自民党議員)、岩上安身(ジャーナリスト)、亀松太郎(ジャーナリスト)、畠山理仁(フリーライター)といった人たちです。
この内の数人は私もフォローしています。
上杉が本格的にツイッターを始めたのは水道橋博士の薦めのようで、本書最初に登場する博士と上杉の対談は、ツイッターの使い方について言わば入門書になっていて非常に為になります。
その他にも、政治とツイッター、ジャーナリズムとツイッター等、興味深く読める話がとても多く、単純に面白い本だと思います。


本文中にあるツイッターのハブ化という概念は非常に面白い。
要は自分が興味のあるもの(政治、IT、映画、音楽…何でも良いでしょう)について有益な情報をくれる人を誰かフォローすれば、その最新情報を自分が享受できるという事です。
だからフォローする人数が多ければ多い程良いというものではありません。
私も時間は限られているので、自分にとって有益と思しき情報をくれる人のつぶやきから優先的にチェックしていますね。
そうすれば効率的に情報収集が出来ます。


私も出社早々にツイッターのタイムライン(TL)をチェックします。
ジャンルごとに大雑把にリスト化し、その中で見る順番に優先順位を付けていきます。
こうしていくと、本書にあるように「自分で作る新聞」となるのです。
まずは自分の職種に関係あるニュースサイトの公式ツイート、ジャーナリストのツイートなどから確認し、必要もしくは興味を引かれるものはリンク先のURLをクリックしたりして内容を確認します。
場合によってはその日の打ち合わせや業務に関連した情報もあるので、非常に有益ですね。
いや、スピードが重要視される業界においては、むしろツイッターが無いと話になりません。
Webニュースサイトよりも何よりも速い速報を読めるのですから。
これからのビジネスには必須のツールでしょう。


趣味系の場合ですと、こちらは単純に楽しい。
情報も取得出来ますが、TL上で議論がなされたり、時々自分も加わったり。
TL上で親しくなった方から、オフ会のお誘いを受けた事もありました(残念ながら都合で行けませんでしたが)。


本書では、ツイッターが革命的なのは個人個人がフラットな関係になる社会がネット上に作られてしまう、という点を指摘しています。
これは凄い事ですね。
どんなに著名人であっても、気軽な会話のやり取りから、質問(と場合によっては回答)も出来てしまう。
個人個人が小さなジャーナリストとなり得るのです。
何とも凄い時代になりました。
例えばホームページやblogではサイト管理人が主であり、読む人が従の関係となる。
しかしツイッターではその関係が限りなくフラットに近い関係になる。
この指摘は目から鱗が落ちました。


またツイッターはTLの流れが非常に速いので、ホームページやブログ、掲示板等と違って炎上する事がなく、また何かあると助言してくれる人が多い、「優しいメディアだ」との指摘は、ツイッターを使っていると実感します。
もっともTLが速いので情報の蓄積には不向き。
蓄積する場所もあるにはありますが、これはホームページやブログ等との使い分け・住み分けがなされるべきでしょう。
猪瀬直樹は「ツイッターは本の帯」と良くつぶやいていますが、確かにそう。
帯で興味引かれたら、その先をホームページなりblogなり、あるいは書籍なりに進めるのです。


私としては、色々と情報が欲しい人はとにかくツイッターを始めてみてください、と言いたい。
別につぶやかなくても結構。
情報の洪水に圧倒されるかも知れませんが、その中から如何に自分で情報を選別するかのリテラシーも身に付いて行くと思います。
新聞やテレビ(こちらは全く見なくなりました)の政治ニュースにおける情報操作される前の、生の情報が手に入る。
ダマされないぞ、という人には特にお勧めしたい。
そういった人たちが作り出した集合的な流れが、今エジプトで起きているムバラク政権打倒運動にもなっているのです。
革命もツイッターフェイスブックがツールとして使われているとは。
凄い時代になったものです。
そんな事象を読み解く鍵が本書にはあると思います。


なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか(晋遊舎新書007)

なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか(晋遊舎新書007)