days of cinema, music and food

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Scott Pilgrim: Scott Pilgrim & The Infinite Sadness and Scott Pilgrim Gets it Together


今年1月にご紹介したブライアン・リー・オマリーの人気コミック続編を読了しました。
第3・4話を収録した第2巻は、全400ページ以上の大部。
価格も2,000円と高価なもの。
しかしこれが大変楽しく面白く、前巻以上に充実した内容でした。


相変わらず無職のバンドマン、スコット・ピルグリムは、ガールフレンドであるラモーナの元カレ相手に激闘を繰り広げ、2人目まで倒します。
だが今度はさらに強そうな3人目が登場するのでした。


第3話までは第1・2話と似たタッチの絵柄なのですが、第4話からは急変します。
線がすっきりして見易くなり、その分登場人物にも感情移入し易くなったような気がしました。
絵の変化について、作者は手塚治虫の強い影響を挙げています。
目が大きく、スピード感を表現する斜線が多いところなど、日本のマンガの影響が元々濃厚な作風でしたが、このシンプルな描画の変化は歓迎したい。
もっともプー太郎のスコットが人生に前向きになり掛けているという姿勢の変化も、感情移入を助けている大きな要因でしょう。
いきなりの元カレ達との派手なバトルや、ゲームネタ満載の絵柄も楽しいですが、ボンクラ青春ラブコメディとして中々含蓄がある内容となっています。
スコットは基本的にイイ奴ではありますが、図々しくグータラで調子の良い面も否めません。
しかし何故か女性にはモテるという男子の願望そのものなのですが、そんな彼が自分とラモーナという女性の人生にきちんと向かい合おうとする姿勢が出て来たのが、何だか応援したくなるのですよね。


益々調子が出て来た本作、続きが気になります。
エドガー・ライトが監督した映画版『スコット・ピルグリムVS. 邪悪な元カレ軍団』も今週末から公開されるし、こちらも観に行かねば!


スコット・ピルグリム&インフィニット・サッドネス

スコット・ピルグリム&インフィニット・サッドネス