日本中枢の崩壊
先日、経産省を退官した古賀茂明の著書を、元同僚の清水さんが貸してくれたので読んだら、あっという間に読了しました。
古賀茂明自信は天下り反対論者なので、当然ながらそんな事はしませんでした(天下り先の紹介はされたようですが)。
シンクタンクを立ち上げるなりして活動して行くのでしょうか。
夏にご紹介した『官僚の責任』と同じ著者ですが、出版順は本書が先になります。
出版当時は「現役官僚が実名で赤裸々に霞が関について書いた」と話題になっていました。
私は著者の言っている事全てに同意はしません。
例えば、各々の政治家に対する批評など、「そうかなぁ」と思う点もあります。
しかし文章が非常に分かり易く、筋が通っていて、納得できる事も多かったです。
論旨が明快で、具体的な案が書かれていて、説得力がある。
改革だけ声高に叫んでも具体案が無いといけませんよね。
古賀はその具体案を出せる人なのです。
官僚だったので当然ですが。
その意味で信頼出来る人だと思いました。
当たり前の事を言うと排斥される異常さが当たり前なのは、官僚社会だけではありません。
企業社会だってそうです。
『官僚の責任』もそうでしたが、本書は読者に覚悟を迫る本、突き付ける本でもあるのです。
自分だったらそんな環境でどうするのか、どう生きていくのか、と。
その意味では官僚だけではなく、読者にも厳しい本でもあるのでした。
逆説的ですが、だから読んで前向きになれるのです。
お薦めの本です。
- 作者: 古賀茂明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/05/20
- メディア: 単行本
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