The Walking Dead 2
傑作コミック『ウォーキング・デッド』、待望の第2巻を読了しました。
本国版4-6巻を収録したA4サイズで400ページ以上の超大作です。
昨年10月に読んだ第1巻では続きが気になる終わり方でしたが、いやはや、待った甲斐がありました。
読み応え十分、読後の充実感も味わえる、大長編ホラー・ドラマ・コミックです。
前半はドラマ重視の展開で、主人公である(元)保安官リックが、リーダーとして皆を守る為に奮闘する…といったありがちな展開になりそうなものの、彼が暗黒面に堕ちて行くのが如実にはっきりしていく展開です。
無論、要所に容赦無いゾンビ・ホラーな場面も用意されていて、ホラーコミックとして正統派。
後半は超ロクデシの悪役「総督(ガバナー)」が登場します。
彼は単なる悪役ではなく、町の住民にとっては自分たちを守ってくれる統率者でもある存在なのが興味深い。
そしてここまでやるかの超残虐展開にもびっくりしました。
最後は第1巻同様にクリフハンガーな終わり方で、続きが物凄く気になります。
是非この第2巻も日本で売れて、第3巻も出してもらいたいものです。
伏線であろう場面は多いものの、その多くが回収されずに終わってしまっており、続きが気になって気になって仕方ありません。
まあ、ですがリックです。
善良な警官として登場し、妻子の為なら何でもする男だった筈なのに、今や妻子と妻のお腹の中の子供の為だったら、文字通り「何でも」する男になってしまいました。
だがもし自分が同じ状況下に置かれたら、果たしてどうするか。
絶望的なまでに殺伐とした世界において、一瞬の油断が命取りとなる世界において、他者を踏み台にして、あるいは他者を犠牲にするのもいとわずに、全力で家族を生きながらえさせようとする主人公は、果たして責められるべき存在なのでしょうか?
荒廃した世界は人心をも荒廃させます。
第1巻同様に、常に読者に対して「あなただったらどうする?」と突き付けるかのような内容。
そんなテーマを描いた、「今のところ」という但し書きが必要であっても、読み応えのある傑作コミックです。
是非手に取ってお読み下さい。
- 作者: ロバート・カークマン,風間賢二
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2012/02/25
- メディア: 単行本
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無論、第1巻もお忘れなく。
- 作者: ロバート・カークマン,風間賢二
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2011/10/03
- メディア: 単行本
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第2巻後半に登場する「総督(ガバナー)」の若き日について書かれている、スピンオフの小説のようです。
- 作者: ロバート・カークマン,ジェイ・ボナンジンガ,尾之上浩司
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/02/25
- メディア: 文庫
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TVシリーズは第1シーズンがBlu-ray Disc、DVD-VIDEO化されています。
- 出版社/メーカー: 角川書店
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原作とドラマは第1話こそ忠実なものの、徐々に独自の展開を見せて行きます。
よってどちらを観てもOKですね。