days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Drive


先日観た映画ドライヴ』にノックアウトされたので、ジェイムズ・サリスの原作小説を読み始めたら、こちらもあっという間に読了しました。
これ、『ドライブ』の題で出ていて、熱帯雨林では投げ売り状態だった筈なのに、映画の日本公開が決まった途端に価格高騰、文庫本なのに何千円も値段が付いていた本なのでした。
題が『ドライブ』から映画に合わせて『ドライヴ』に変更、表紙や解説も変わりましたが、内容は以前と同様のようです。


内容は200ページ弱の短い長編、もしくは中編小説。
この原作からあの映画を作ったスタッフは凄いですね。
昼はスタントドライヴァー、夜は犯罪逃走ドライヴァーの主人公が、とある強盗事件によって暴走して行く…というのが共通なくらい。
過去と現在が交錯して主人公を炙り出していきます。
登場人物もダブっていますが、構成はもとより話自体、登場人物の辿る運命も含めてかなり違います。


しかしこの原作は原作で非常に面白い。
物語は単純だし、暴力描写も含めて場面や進行もあっさりしています。
しかし読みやすくも非情な文体が独特で、言い回しにコクがあります。
犯罪文学小説と言っても良いくらい。
ハードボイルドで心にフックが残る異色作。
面白い本を読んだものです。
お勧めしましょう。


ドライヴ〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

ドライヴ〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕


こちらが以前出ていて今ではバカ値が付いている方です。

ドライブ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ドライブ (ハヤカワ・ミステリ文庫)