days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

The Walking Dead 3


ロバート・カークマンが終末ゾンビ世界を描く大河ドラマウォーキング・デッド』、待望の邦訳第3弾を読了しました。
本国版7-9巻を収録した450ページもの大部です。
第2巻は半年以上も前の2月から3月にかけて読んでいたのですね。
出版の遅れは、訳者である風間賢二氏のTwitterで、氏自身のスケジュールによるものとつぶやかれていました。
まぁしかし、待つ楽しみもあったので問題ありません。
問題なのは、登場人物達、特に主人公リックに待ち受けているさらなる試練です。


カークマンは人が悪い。
読者に希望を抱かせて、ものの見事に木端微塵に打ち砕くのですから。
しかも打ち砕いたのは、未来への希望。
登場人物のみならず、読者をも打ちのめすのに十分過ぎる最悪の展開です。
カークマンは恐らく登場人物を好いてはいるでしょう。
各人にドラマを持たせているのですから。
しかし同時に、彼らを物語を進める上での駒、読者に興味を持続させる為の手段とも割り切っているようです。
ここはクエンティン・タランティーノに通じるものがありますね。
前巻に登場した最悪の悪役、総督(ガバナー)も大活躍。
この極悪非道の権化は、スティーヴン・キングの小説に出て来てもおかしくありません。
しかし総督は、リーダーもであったリックのコインの裏とも受け取れます。
集団を説得し、時に武力を行使させる総督とリックは、表裏一体の関係です。
徐々に人間性を失っているのでは、と自らおののくリックのあり得た未来の姿が、ひょっとしたら総督なのではないでしょうか。
もはや恐ろしいのはゾンビではないとしていたのが前巻でしたが、本巻ではよりそのテーマを推し進められていました。


さぁ、ページをめくって、リックらの行く末を固唾を飲んで見守りましょう。
生きて行くというのは過酷と同義だ、とする語り部の想いを汲み取りながら。
そして是非とも続刊が出ますように、と祈りましょう。
どうか日本でもこの傑作シリーズが売れて、完結したページをめくる日が来ますように。


ウォーキング・デッド3

ウォーキング・デッド3


第1巻・第2巻から続けて読むと、ずっしりとした読み応えがありますよ。

ウォーキング・デッド

ウォーキング・デッド

ウォーキング・デッド2

ウォーキング・デッド2


総督の若き日について書かれている、スピンオフの小説らしいです。

ウォーキング・デッド  ガバナーの誕生 (角川文庫)

ウォーキング・デッド ガバナーの誕生 (角川文庫)


TVシリーズは第1-第2シーズンがBlu-ray Disc、DVD-VIDEO化されています。
ここではBDをご紹介。

ウォーキング・デッド Blu-ray BOX

ウォーキング・デッド Blu-ray BOX


TVシリーズは第2シーズン第2話までしか観ていないのです。
こちらも観なくてはなりませんね。