Cinefex #19 Inception: In Dreams
先月に続き、クリストファー・ノーラン監督作品『インセプション』特集の特撮専門誌『シネフェックス』を読みました。
やはりノーラン作品のVFXの裏側記事は面白いです。
CGIも多用しつつ、模型や現物を使ったSpFXも重視で。
ご存じの通りVFXはVisual Effectsの口語的略称です。
ミニチュアや合成やCG等の、現物には存在しない物を使った特撮の事です。
SpFXはSpecial Effectsの事。
こちらは風雨からワイヤーワーク、スタント、爆発等、現物を使った特撮を言います。
『シネフェックス』のような特撮専門誌だと、CGI紹介の場合はソフトウェアを使った工夫中心の記事になりますが、ノーラン作品だとそうはいきません。
現物主義のノーランは、ミニチュアや現物を使った特撮が大好きなのですね。
『インセプション』の場合だと、無重力状態となったホテル内での殺し屋との対決場面や、クライマクスの要塞病院爆破のミニチュア撮影等、実際の「モノ」を使った工夫についての文章盛りだくさん。
やはり手作り感のある特撮現場の裏側は読んでいて面白いです。
もちろんノーラン作品の陰の功労者であるCGIについても、たくさん触れられています。
パリの街が畳まれる場面。
終幕、レオナルド・ディカプリオとエレン・ペイジが流れ着いた浜辺から、崩壊しつつある大都市の映像。
ロケとCGの見事な融合となっていますよね。
ノーランの監督としての手腕には批判する人も多くいて、かなり好悪分かれる監督だとは思います。
ただ映像面においては、いくら技術が発達しても、結局のところ監督のヴィジョン次第。
そのように言ったハリウッドの特撮マンが30年くらい前に居ましたが、これはCG全盛の今となっても変わりませんね。
その裏付けとなる証言集としても読みごたえのある特集でした。
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