days of cinema, music and food

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Evil Dead


さて深夜は『死霊のはらわた』ミッドナイトショウ鑑賞に出掛けましたよ。
公開初日のゴールデンウィーク金曜22時45分からの回、横浜ららぽーとTOHOシネマズで1番大きな劇場で公開という強気の興業です。
私が観た回は20人強の入りでしたが、日中はどういう入りなのでしょうか。
ヒットしてくれるとオリジナル版好きとしては嬉しいのですが。


山奥の小屋に5人の若者達がやって来ました。
ミア(ジェーン・レヴィ)の麻薬中毒リハビリの為、その兄デヴィッド(シャイロー・フェルナンデス)、その恋人や友人らが集ったのです。
しかし地下室には多くの猫の惨殺死体が天井からぶら下げられており、さらに何かの皮で出来た禍々しい古文書が見つかります。
やめれば良いのに、古文書に掛かれていた文を読み上げた事からさぁ大変、何かが蘇り、山小屋での血みどろの惨劇の幕が切って落とされます。


1981年に製作された自主製作映画『死霊のはたわた』は、サム・ライミの処女長編作であり、彼の名を一躍世界的に有名にした映画でもあります。
日本での公開後、スプラッター映画なる言葉が市民権を得た(?)という意味でも、映画史に残る作品でありましょう。
もっとも当時私はまだ劇場では観ていなくて、公開とほぼ同時に出た画質の悪いVHSをお小遣いで購入し、中学の同級生らを家に招いて皆でわいわい楽しんだものでした。
牛乳飲んだりしながらネ(意味が分かる人は、このオリジナル版を観た事ある人デス)。
このオリジナル版最大の魅力は、大袈裟過ぎるダイナミックなキャメラワークや稚拙な特殊メイクも含めて、恐怖と残酷と黒い笑いがいっしょくたになった馬鹿力にあった事でした。
描写自体は超残酷なのに、それをやり過ぎるとギャグになるという「分かった」演出はとても魅力的でした。


こちらのリメイク版はライミらが製作に携わっていて、監督はウルグアイの新人フェデ・アルバレスという人。
プロットは旧作準拠でも展開はかなり変えられていて、これはかえってオリジナル版を強く意識したのでしょう。
例えば山小屋に若者たちが宿泊するなど、現代の感覚からするとヴァカンスとは程遠いのだから、だったらその理由に麻薬問題を絡めよう、という事ですね。
さらにオリジナル版にあった設定をひっくり返すかのような場面まで用意されています。
脚本や演出、特殊メイク等、非常に頑張った感はあるし、全体的に生真面目な作りになっていました。
だからか、オリジナル版の馬鹿力には遠く及ばないもとなっています。
それに正直、怖くなかったです。
禍々しい雰囲気は出ていたし、真面目は良いけれども、もう少し緊張を盛り上げて欲しい。
オリジナル版の面白さはサム・ライミの個性に直結していただけに、同じ手法でリメイクしても意味が無いというのは分かるのですが。
となるとある意味、無謀なリメイク企画とも言えるのでしょう。
ホラー慣れしていない、旧作を未見の観客の反応を知りたいとは思うのですが。