days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Gangster Squad



夜も映画ですよ。
L.A. ギャング ストーリー』ミッドナイト鑑賞with近所のM田さん。
公開2日目の24時5分からの回は20人強の入りでした。


1949年のL.A.。
ユダヤ系ギャングのミッキー・コーエン(ショーン・ペン)は急速に勢力を伸ばし、その残虐且つ情け無用のやり口に街は恐怖に侵されていました。
市警本部長パーカー(ニック・ノルティ)は、戦争帰りで恐れを知らない正義漢オマラ巡査長(ジョシュ・ブローリン)を密命チームのリーダーに抜擢。
コーエンの組織殲滅の為に集められたのは、組織の息の掛かっていないはぐれ者ばかりです。
ウーターズ(ライアン・ゴズリング)、ハリス(アンソニー・マッキー)、ケナード(ロバート・パトリック)、ラミレス(マイケル・ペーニャ)、キーラー(ジョヴァンニ・リビシ)らです。
部隊は警官との身元を隠してコーエンが経営するカジノ等を次々襲撃しますが、やがてウーターズはコーエンの愛人グレイス(エマ・ストーン)と恋に落ちます。


実話を基にしている…といってもかなり脚色はされているのでしょう。
それにしても力には力を、暴力には暴力をという徹底抗戦がアメリカらしい。
昨年の『ダークナイト ライジング』上映館での乱射事件の影響による撮り直しやら、作曲家がカーター・バーウェルからスティーヴン・ジャブロンスキーに交代と、トラブルがあった映画でもあります。
北米は元より国内でも評論家の方々からかなり悪評の映画なので、期待値を下げて気軽に観に行ったら気軽に楽しめました。
確かに勿体無い要素が多い。
もっと各人の個性を掘り下げられたらとか、ウーターズとグレイスの恋がまるで盛り上がらないとか、ドラマはかなり物足りないのです。
しかし単純明快な勧善懲悪暴力アクションとして観る分には楽しめました。
ソフト帽にダブルもしくはスリーピースのスーツの男達がバンバン撃つという、古式ゆかしいギャング映画。
テンポ良く暴力アクションで繋いでいくので退屈しません。
こういう映画ってかつてはもっと観ていました。
テレビの洋画劇場でよくかかっていた映画みたいで、何だか懐かしく観られたのです。
テンポや描写は現代映画そのものですけれどもね。
スーツを着た男達のアクション映画…つまりギャング映画って昔はたくさんありましたが、それは現代のボンド映画に引き継がれているって事なのでしょうか。


ジョシュ・ブローリンはこういう娯楽アクションを背負って立つスターでもあるんですね。
無表情のタフガイで内に秘めた熱い男という、文字通りトミー・リー・ジョーンズの正統な後継者になるのかな…と書いていて、昨年観たメン・イン・ブラック3』で、ジョーンズの若いときの役を演じていたのを思い出しました。
それにしてもニック・ノルティジョシュ・ブローリンは顔の作りが似ています。
今回は上司と部下役でしたので、今後は機会があったら親子役で出てもらいたいです。
ゴズとエマの『ラブ・アゲイン』美男美女カップルは絵になりますなぁ。
エマ登場場面での赤いドレスがゴージャスでした。
昨年の『デンジャラス・ラン』『人生の特等席』とこのところ急に良く見掛けるロバート・パトリックが嬉しい。
しかも初老の拳銃使い役ですよ。
コーエン役ショーン・ペンは、ハリウッド娯楽映画では久々にお目に掛かる、出ているだけでおっかない悪役。
自分の映画製作費集めの為に出たのだろうけど、さすがですね。
少々大袈裟な演技も、また彼らしい。
ボンド映画の悪役もやってもらいたいものですよ。
彼ならば『私を愛したスパイ』のクルト・ユルゲンス以来の、居るだけで怖いボス役が出来ますよ。


出来上がった派手な娯楽アクション映画を観ると、派手なジャブロンスキーの音楽で正解だったと思いました。
バーウェルだともっと地味だったでしょうから。
でもバーウェル起用時点では、違う構想の映画だった可能性はありますね。


撮影はディオン・ビーブで、やはりHD撮影の映画でした。
HD撮影映画って接写アクションの動きが汚くて気になります。
それ以外は全体にリッチな画が多かったです。
追加撮影は名手キャレブ・デシャネルでした。