days of cinema, music and food

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Baby Driver


会社の帰りにエドガー・ライトの新作『ベイビー・ドライバー』を観て来ました。
劇場公開数が少ないのに話題作とあってか、中規模の劇場はほぼ満席。
劇場数が増えると良いですね。


ベイビー(アンセル・エルゴート)は幼い時の事故の影響で常に耳鳴りがするため、いつもiPodで音楽を聴いている若者。
彼は組織のボス・ドク(ケヴィン・スペイシー)の元で、強盗グループの逃亡の際に凄腕を発揮する逃がし屋なのです。
ある日、ウェイトレスのデボラ(リリー・ジェームズ)と知り合い、恋に落ちたベイビーは、足を洗おうと決意するのですが。


序盤の特撮無しのカーチェイスが物凄く、いきなり度肝を抜かれます。
音楽に合わせて編集、振り付けがされているカーチェイスとは前代未聞なのですから。
しかし冒頭、強盗グループを待っている車内のベイビーが、音楽でノリノリの様子を観てドン引きするか、乗れるかで大きく意見が分かれそう。
幸いにも私は事前にライトが10年以上前に撮ったPVで同じアイディアを観ていたので、ドン引きしませんでしたが。
ともあれ前半は割と明るいタッチで進むのですが、途中からはシリアスで入り組んだ犯罪映画へと変貌し、最後は青春映画として着陸するという変わり種。
これはエドガー・ライトの最高傑作でしょう。


そして我ながら、子供の時にウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』やサム・ペキンパーの『ゲッタウェイ』(同じくヒルが脚本)を観ていて良かった、と思ったのでした。
テレビの洋画劇場には感謝ですよ。
でも今の子供たちはこの映画を観るのですよね。
それもまた、素晴らしいことです。


それにしても、終盤にポール・ヴァーホーヴェンの『4番目の男』へのオマージュがあるとは思いもしませんでしたなぁ。