days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

42階 - 肉体の存在


十数年振りに自分の中で燃えているバンド、それがレヴェル42です。


1970年代末にデヴューしたときは、インスト中心のバカテク・ジャズ・ファンク・バンドだった訳ですが、メジャーのポリドールと契約後は歌もの路線に変更。1980年代半ばには『Something About You』、『Lessons in Love』などといった、良質なポップスでヒットも放ちました。
しかしポップス路線に対してバンド内で内紛勃発、ギターとドラムスのグールド兄弟が抜け、その後メンバー・チェンジを経てやがて解散してしまいました。


最近はヴォーカル&ベース・ギターのマーク・キング中心に復活、細々と活動を続けているようです。


レヴェル初期メンバー・・・というか、レヴェルはこのメンツでなくっちゃ!というのが、キング、キーボード&バック・ヴォーカルのマイク・リンダップ、ギターのブーン・グールド、ドラムスのフィル・グールドです。とにかくキングの驚異的なベース・テクニックとフィルのドラムスという、超強力なリズムが凄い。この2人がバンドのサウンドを作っていたと言っても過言でありません。特にキングの、スラップを駆使しまくった高速&正確無比なリズムを叩き込むベースは、いつ聴いても驚嘆するしかありません。そしてフィルとのひと糸乱れぬコンビネイション。これですよ、これ。そこにマイクの軽妙で小技の効いたキーボードが加わるのです。


この3人に比べると、ブーンの素朴なカッティングやアルペジオ中心のプレイがやや地味に聴こえるのは仕方が無いかも。ブーンも下手じゃないんですけどね、決して。


サウンドはまずは曲ありき、のスタイルです。そこにキングのぶっきらぼうなヴォーカルと、マイクの美しいファルセット・ヴォイスが乗っかります。高速ベースを弾きまくりながら歌うキングは凄いですね。でも、マイクとのコーラス・ワークが無ければ、魅力も半減です。マイクの居ない再結成後の演奏を聴けばすぐに分かります。


さて、iPodにもレヴェルを何枚も入れているのですが、今回ご紹介するのはこれ。


『A Physical Presence』

Physical Presence


1985年発表の2枚組ライヴ盤です。スタジオ盤は全体にクール、ともするとアレンジし過ぎの場合もあるのですが、無駄が削ぎ落とされて曲と演奏技術が剥き出しになったライヴを聴くと、彼らの実力が分かるというものです。とにかく演奏がアツい。冒頭の『Almost There』から突っ走ります。スタジオ盤よりもカッコ良い演奏が多いし、インストものも聴かせます。


必聴の傑作、ひょっとして彼らの最高傑作かも。


ところでバンド名の由来は、ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』から取られています。で、このアルバムには『Foundation and Empire』というインスト曲もあるのですが、これってアイザック・アジモフの『ファウンデーションと帝国』ですか!?マーク・キングはSF好きなのではないか、と睨んでいるのですが・・・。