Disappeared Diary
会社で借りた吾妻ひでおのノンフィクション漫画『失踪日記』を読んでみました。
吾妻ひでお・・・懐かしい名前です。小学生時に買っていたSF月刊誌『スターログ』(今のではなく、1980年代にツルモトルームで発行していたものね)で、よく取り上げられていました。本書は新聞の書評でも取り上げられていて、興味を持っていたものです・・・って、吾妻ひでおって失踪していたんかいな?
失踪・自殺未遂・また失踪・アル中、と文字にするだけで凄まじい内容。ところがこれが可愛い絵で描かれると、幾らか壮絶さが和らぎ、逆に悲喜劇人生が浮かび上がってきます。加えて路上生活のHow to漫画としても、また作者が失踪中にありついた配管工事のHow to漫画としても面白い。これは傑作ではないでしょうか。
印象的だったのは、作者自身のどこかクールな視点と共に、根っこにくすぶっている絶望の想い。絵は可愛いのに絶望感があるのは、手塚治虫や藤子・F・不二雄を思い出しました。
続編もあるとのことなので、そちらも期待しましょう。