days of cinema, music and food

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大国アメリカはスポーツで動く


先日のMLBコラム本に続き、今度は現代アメリカにおけるスポーツ考の本を読みました。
著者であるスポーツライター生島淳は、TBSラジオ『ストリーム』出演で御馴染みです。
歯切れの良いコメントが面白い。
このラジオ番組は生で聴いたことはありませんが、ポッドキャストでの聴取をお薦めします。
ダウンロードはここからどうぞ。
他の出演者も面白く、私はiPodに入れてカーステレオで聴いています。
いや、本当に面白いのだから。
だまされたと思って、是非。


さて3部構成となっている本書の、それぞれの部のタイトルは次の通り。

  • スポーツとアメリカ大統領の深い関係
  • ビジネスの成功者たちはスポーツに心血を注ぐ
  • スポーツなしでは生きられない!


スポーツをビジネスとして捉え、市場を開拓したメディアと、それによりアメリカ人の生活に深く入り込んだ様子が、簡潔で分かりやすく書かれていて、非常に興味深いものとなっています。
またスポーツと政治の切り口では、歴代大統領のスポーツに対するスタンスでその人となりが浮かび上がって来て、面白い。
バラク・オバマがバスケ好き、シカゴ・ホワイトソックス好きなのは有名ですからね。


当然ながらブッシュ親子についても触れられていて、これを読むと息子のジョージ・W・ブッシュが、W・Lことパパ・ブッシュを追い掛けていた一端も分かります。


来週に行われるアメリカ大統領選挙は、オバマ優勢となっていますが、オバマクリントン、マケインの3氏の内、誰を支持するかという『スポーツ・イラストレイテッド』紙のアンケートも興味深い。
『スポイラ』がMKB、NBA、NHLにアンケートを取った結果、それぞれの人種構成の違いが浮き上がる仕組みとなっています。
2004年の大統領選挙でのブッシュ対ケリーの結果についても、興味深い考察が成されています。
こういった、数字から読み解くスポーツ事情転じて政治や経済事情が見えてくるのが、この本の面白さの1つでしょう。


しかしながら、少々食い足りなさを感じたのも事実。
単行本200ページちょっとでこの情報量は凄いのですが、もっともっと知りたい、読みたいとまで思わせました。
ですからこれをステップにして、別の本で個々の情報を得る、というのが良いのでしょう。


アメリカという国をスポーツという切り口で俯瞰した、お薦めの本であります。


大国アメリカはスポーツで動く

大国アメリカはスポーツで動く