days of cinema, music and food

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Number plus 完全保存版 野茂英雄 1990-2008


大リーグのシーズンもいよいよ到来です。
我がボストン・レッドソックスの戦い振りも楽しみですが、以前も書いたようにカート・シリングの大ファンだっただけに、先日の引退報道は非常に残念でした(今更ながら気付いたのですが、日記内を「カート・シリング」で検索すると、結構ヒットするのですね。我ながらびっくり)。
まぁソックスに限らず、アメリカン・リーグ東地区は例年以上に盛り上がってくれることでしょう。
ヤンクスだけでなく、レイズの戦いっぷりも見ものになって、シーズンを盛り上げてもらいたいものです。


と、新たな始まりも嬉しいのですが、昨年球界を去った大投手についてちょっと書かせて下さい。
レッドソックスにも2年間在籍し、ノーヒッターも記録したことのある投手。
そう、野茂英雄です。
彼について丸ごと1冊のムック本を買ったのは、出版された直後の昨年12月初旬。
いささか証文の出し遅れではありますが、何度も読み返してしまうくらいに、野茂ファンには嬉しい本なのです。


元々今は無き近鉄バファローズのファンでもあった私は、野茂の入団も狂喜したものでした。
それについてはここにも書いた通り
ですから丸ごと1冊、野茂ムック本とは書店て見つけるや否や、即購入したのも当然でしょう。
Numberの過去の記事からの抜粋も多いのですが、新たに書き下ろしされた記事も読み応えがあります。
彼のプロ生活だけでなく、そのルーツのアマチュア時代にも目を向けているのは、やはり嬉しい。
通して読むことで、彼の辿った野球選手生活を俯瞰出来ます。


彼の素晴らしさは、冷静に時代を見ながら理想・理念を語れるところでしょう。
スポーツは好きなだけではなく、そういった視点が必要だと常日頃思っている私にとって、また社会にはスポーツが必要だと思っている私にとって、彼は野球界では数少ない偶像です。
こういった人がもっともっと出て欲しいし、またこれからの時代に必要な筈。
先輩・後輩に不必要に気を使うのではなく、気を使いながらも自分の言葉で率直に述べられる彼はカッコ良いとおもいます。
自分のことばかりでなく、周囲を見渡し、そこで自分はどのように貢献出来るか。
そのように自覚している野茂は大人だし、またその点でイチローはガキに思えて仕方ありません。


さて文章では、巻末を飾る芝山幹郎の「魔法と負け戦に魅せられて」が素晴らしい。
この人ならではの皮膚感覚というか、肉体感覚に満ちた文章で、野茂を語っています。


野茂ファンには必携の1冊です。
まだ書店に並んでいるところもあるようですので、お手に取ってみては如何でしょうか。


完全保存版野茂英雄1990-2008

完全保存版野茂英雄1990-2008