days of cinema, music and food

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赤壁 決戦天下 Red Cliff II



さ、今日は記事3つですよ。
まずは『レッドクリフ Part II 未来への最終決戦』に行って来ました。
シネコン内でも最大の劇場は、平日の朝9時半過ぎからの回だからか、20人程度の入り。


昨年11月に観た前作には左程感心しなかったので(公開当時の感想と、それを清書したレヴュー)、今回は余り期待せずに観られました。
その第一印象はと言うと、「思っていたよりも良いじゃないか」。


相変わらずのこってりたっぷりではあるものの、前作のように胃もたれする程の冗長さでもなく、きちんと赤壁の戦いへときちんと盛り上げてくれます。
2時間半近い映画ですが、その戦いが描かれるのは後半1時間程度。
そこに向けて直線的に盛り上げているのは、観客を散々待たせているのだから当たり前ではありますが、ジョン・ウーの監督としての責務はまっとうしたようです。


しかし相変わらずの泥臭い場面も目に付き、ハリウッド映画に見慣れているこちらからすると、苦笑せざるを得ません。
その最たるものが、スパイとして曹操軍に入り込んだ孫尚香ヴィッキー・チャオ)と、トン・ダーウェイ演ずる蹴鞠の名人との交流もの。
ここだけで後半の展開が予想されるのは当然、しかも実際にそのようになってしまうので、やや白けてしまいました。
観客に感動を与えようとするのであれば、観客の上手を行くものにしてもらいたいものです。


気になったのは、前作との整合性でした。
前作はシリアスな歴史絵巻もしくは英雄譚かと思っていたら、実は荒唐無稽な超人英雄譚でした。
その八方破れな描写に最初は目を白黒させられましたが、それが分かると楽しめたものです。
その再見かと思いきや、妙にお行儀が良い続篇になっていました。
また曹操の性格描写も真っ当に描かれており、部下の士気を上げさせたりで、コスプレ大好きな変態だったという前作の意表を付いた描写に似たものも消失しています。
史実では曹操は有能な将軍との記録のようですから、実像はこちらが近いのかも知れませんが。
この2部作、続けて観ると違和感が出て来るのではないでしょうか。


戦闘場面は『プライベート・ライアン』か、はたまたその影響を受けた『キングダム・オブ・ヘブン』か、という苛烈なもの。
かなり迫力があります。
また、前作にあったような奇々怪々な陣形作戦も、小ぶりながら登場し、お化け屋敷状態で敵兵を襲ってくれて楽しませてくれます。


不満足だったPart I。
想定内ではあったものの、それなりに楽しめたPart II。
がさつで大仰な様は趣味ではありませんが、2作合わせての全体としてはまぁまぁ、と言ったところでしょうか。


画質はフィルムグレインがかなり目立っており、これも味かと思いました。
音は新作ハリウッド大作のようなものとは程遠く、全体的にカンカンドンドン、いわゆるドンシャリ系に近いもの。
これらは前作同様との印象を持ちました。