days of cinema, music and food

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Cinefex #3: H.R.Giger's ALIEN and Twilight Zone the Movie


以前ご紹介した『シネフェックス』日本版の第3号のご紹介。
バンダイからの発行年月日は1984年2月1日となっています。
この特撮専門誌は、何かの合間にぱらぱら読むのに合っているんですよね。
写真もふんだんで、眺めているだけでも楽しい。
もっとも、専門用語・技術用語もふんだんで、そういうのを読むのが面倒な方には、リラックスして読めないでしょうけれども。


この号はリドリー・スコットH.R.ギーガーによる『エイリアン』と、『トワイライトゾーン/超次元の体験』の2本立てです。
どちらもモンスター映画ということで、造形関係の文章が多い。
近年の特撮はデジタル技術抜きに語れないこともあって、『シネフェックス』もCGI関連の記事が多いのですが、それらは読んでいて楽しいかどうかというと、そうでもない。
いや、CG関係者にとっては貴重な記事なのでしょうけれども、少なくともそうでない、一般の映画ファンにとっては、コンピュータ前にスタッフが陣取っている写真ばかり眺めさせられても、そうは面白くないですからね。


ということで、読むのであれば、こういったローテク特撮の映画の方が面白いのです。


『エイリアン』の方は、ダン・オバノンの着想・構想に始まって、リドリー・スコットによるこだわり、ギーガーの参入など、細かく取材してあってさすが。
イギリスの特撮マン、ロジャー・ディッケンの貢献(チェストバスターは彼によるものなのです)と個人プレイによる障壁まで書かれています。
本の雑誌や専門誌では、こういった確執などまでは書かないでしょう。
暴露記事的ではなく冷静な事実の記録として残してあるところが、何気に凄いと思うのです。


トワイライトゾーン』の方は、監督へのインタヴューは殆ど無く、特撮マンたちへの取材が殆どだった様子です。
裏表紙は第4話のグレムリンになっています。

肉声が聞こえる監督はジョー・ダンテのみ。
残念ながらジョン・ランディススティーブン・スピルバーグジョージ・ミラーらの声はありません。
しかしダンテ編のメイクアップマン、ロブ・ボーティンのハッスル振り、ミラー編及びプロローグで活躍したクライグ・リアドンらの肉声はたっぷり。
怪物創作に燃える、または苦労する彼らの声は、疲労を滲ませつつも活き活きとしています。


こういった記事が、『シネフェックス』をシネフェックスたらしめているのだと思います。