days of cinema, music and food

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ブレードランナー究極読本 & 近未来SF映画の世界

『ブレードランナー究極読本』
発売日は昨日でしたが、事前予約していたAmazonから本日届きました。
Facebookを見ると、予約していた友人らの手元にも届いたようです。
監修はこの人・中子真治さん。
1982年の『ブレードランナー』撮影現場に唯一、日本人ジャーナリストとして入っていた人です。
執筆陣には友人らもいて、嬉しくなります。


いきなり冒頭から中子さんによる留之助ブラスター開発記事から始まります。
留之助ブラスターとは、『ブレードランナー』でハリソン・フォード演ずる主人公リック・デッカードが使っていた、いわゆる「デッカード・ブラスター」のモデルガンです。
版権の問題で主人公リック・デッカードの名前や、映画の題名が使えず、中子さんが経営しているおもちゃ屋留之助商店(祖父から名前を頂いたもの)から名前を取ったモデルガンの、およそ10年にも及ぶ開発記録で凄い。
しかも詳細な文章とオールカラーで!
長年、デッカード・ブラスターのモデルガンが海外で発売される度に取り寄せ、その出来に不満足だったという奈中子さん。
その元に徳さんというモデルガン造形師が訪ねて来たときから、開発が始まります。
中子さんと徳さんの飽くなき情熱と技術力でもって開発されたブラスターは、幾度もバージョンアップを重ね、とうとう35年振りの続編『ブレードランナー 2049』で小道具として採用されるまでになったのです。
私も一度手にしたことがありましたが、重さも映画で使われた小道具と同じ1.2kgとずしり重く、かっこ良かったです。
つい最近、海外のメディアWiredで2049のプロップマスターが、「俺が1982年版のブラスターを入手して詳細にコピーしたんだ」と言っていて、中子さんが画像でもって詳細な反論をしていた、というミソが付いたのが残念ですが。
中子さんは先日開催されたトークイベント「ブレードランナー・ナイト3」でおっしゃっていたのは、「訴訟しろという人が何人もいたけど、それは別に良い。大好きな映画に自分が開発したモデルガンが使われて本望だ。それに今発売されている留之助ブラスターは、箱に『ブレードランナー 2049』とデカデカと書かれているしね!」とめげていない様子。
モデルガンを無償提供する代わりに、題名の使用許諾を得ていたのだそうです。
さすが商売人!


なぁんて、いきなり濃い話から始まる本書は、ロケ地探訪、バージョン違い、幻のエンディング数種、ポスターギャラリーなど、他では読めない話がてんこ盛り。
これは執筆陣のブレードランナー愛の成せる業です。
勿体無いので少しずつ読み進めましょう。
ブレードランナー』が好きな方にはマストアイテムです。



Amazonでは留之助ブラスターのミニチュア版が売っていました。