days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

book

官僚の責任 ※7/30追記あり

経産省の現役キャリア官僚、古賀茂明の著書を初めて読んでみました。 この人、バリバリの改革派ゆえに省内で干され、「官房付」という実質仕事無し状態にされているのでも、週刊誌等で話題の人ですね。 国家公務員なので退職に応じるかどうかは本人次第。 そ…

The Conversations: Walter March and the Art of Editing film

マイケル・オンダーチェのインタヴュー本『映画もまた編集である-ウォルター・マーチとの対話』を読了しました。 マーチは一般には知られていませんが、映画ファンにとっては知る人ぞ知る、映像及びサウンドの編集の達人です。 大卒後、フランシス・フォード…

原発のウソ

今現在進行している福島第一原発事故。 放射性物質を撒き散らして関東のみならず北海道から関西、さらには世界的に汚染を広げている状態です。 そんな中で読んだのが、以前から首尾一貫して反原発、即原発停止を提唱している京大原子炉実験所助教授・小出裕…

Views

諸般の事情で更新をさぼっていたら、いつの間にか250000ヒットを記録していました(6/18明け方現在)。 これも巡回して下さっている皆様のお陰です。 またぼちぼち更新して行く予定ですので、これからも宜しくお願いします。 さて先日書いたイエスの大傑作ラ…

Kingdom Come

マーク・ウェイド作、アレックス・ロス画の名作『キングダム・カム』を読了しました。 これ、随分と前から絶版だったものですよね。 内容は、スーパーマンらスーパーヒーロー達の引退後の世界で幕を開けます。 彼らの引退から10年後、世界は力を持て余した超…

Scott Pilgrim: Scott Pilgrim VS. The Universe and Scott Pilgrim's Finest Hour

つい先日読了した第2巻に続き、第3巻の『スコット・ピルグリムVSジ・ユニバース』も読了しました。 これにてブライアン・リー・オマリーのスコットものは一応の完結を見た訳です。 いやいや、結構長かったけれども、面白かったし読んで良かった。 プー太郎で…

Scott Pilgrim: Scott Pilgrim & The Infinite Sadness and Scott Pilgrim Gets it Together

今年1月にご紹介したブライアン・リー・オマリーの人気コミック続編を読了しました。 第3・4話を収録した第2巻は、全400ページ以上の大部。 価格も2,000円と高価なもの。 しかしこれが大変楽しく面白く、前巻以上に充実した内容でした。 相変わらず無職のバ…

Daredevil: Born Again

スタン・リーらが創作したアメコミ・ヒーローのデアデビルと私との接点と言えば、ベン・アフレックが主演した映画版くらいしかありませんでした。 今回、『デアデビル:ボーン・アゲイン』が翻訳本が出版されるというので読んでみました。 フランク・ミラー…

中国のマスゴミ ジャーナリズムの挫折と目覚め

ぱっと見では刺激的な、扇情的な、と受け取られかねない書名です。 しかしこれが朴訥なまでに真摯な本でした。 以前から産経新聞記者の福島香織という人のブログを読んでいました。 元々在中国の記者なのであちらの事情には強い。 中国と日本が微妙な関係を…

はらぺこあおむし(ビッグブック)

エリック・カールによるこの名作絵本をご存知の方は多いでしょう。 前アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュの愛読書としても知られますね。 いや、これホント。 1969年出版のこの本が大好きと言い切るとは、1946年生まれなのに大した度胸です。 まぁ、ホント…

なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか

読んだのは昨夏だった新書なので今更ですが、ご紹介しましょう。 昨年は個人的にはフィクション系も大当たりの年で、その内の何冊かはこちらのblogでもご紹介しました。 一方、ノンフィクション系で個人的に大きい存在だったのが本書。 昨夏、ツイッターを始…

せなけいこのおばけ本

妻とは娘に読み聞かせをしており、それらの本は主に図書館から借りています。 余程気に入った本は改めて買うこともあるのですが、ここ何ヶ月か娘も大好きなのが、せなけいこの絵本の数々。 1970年代からあったようなのですが、まるで知りませんでした。 切り…

『のだめカンタービレ』#25

ようやく完結しました。 まずはこの数年間、楽しませてくれた作者二ノ宮知子にお疲れ様でした、と言いたいですね。 よもやここまで国民的人気コミックになるとは思いもしませんでしたが、長く続いたのもその人気ゆえでしょう。 最終巻は千秋念願のオペラ指揮…

The Art of TRON: Legacy

『トロン:レガシー』の映画館でのヴィジュアル&サウンド体験の興奮もありましたので、サントラCDに飽き足らずアート本も購入です。 映画の企画の始まりから、全体のアート・ディレクションについて紹介した本書。 デザインの変遷が色々と興味深い。 もちろ…

L'INCAL

拙blogもヒット数200,000を超えました。 ここまで続くとは思いもしませんでした。 これも日々ご覧になって下さる方々のお陰です。 今後とも宜しくお願いします。 アレハンドロ・ホドロフスキー原作、メビウス(ジャン・ジロー)画のフレンチ・コミック『L'IN…

Child 44

家にあったトム・ロブ・スミスのスリラー『チャイルド44』を読み終えました。 2年前の「このミス」1位になったのでご存知の方もいらっしゃる事でしょう。 傑作でした。 舞台はスターリン政権下の1950年代旧ソ連。 理想を実現した国家では、犯罪は存在せず、…

Scott Pilgrim: Scott Pilgrim's Prescious Little Life & Scott Pilgrim Vs. The World

ブライアン・リー・オマリーのカナダ・コミック『スコット・ピルグリムVSザ・ワールド』をご紹介しましょう。 このコミック、昨年一部にて話題となった映画の原作で、だから翻訳されたのでしょう。 バンドをやっている20代前半のトロント在住の無職青年スコ…

Kick Ass

映画『キック・アス』劇場公開に合わせて、マーク・ミラー作、ジョン・ロミータ・Jrの原作コミックも無事に翻訳されました。 UK版Blu-ray Discにて鑑賞済みの映画版にぞっこん惚れ込んだ私としては、逃す訳にはいきません。 物語前半は映画とかなり近いので…

Arkham Asylum: A Serious House on Serious Earth

有名な作品であっても、アメコミ翻訳本はあっという間に絶版になるので、入手困難という場合が少なくありません。 『ダークナイト・リターンズ』、『ウォッチメン』、『キングダム・カム』等々。 幸いにもこれらは昨年から今年に掛けて、資料等が追加された…

graphic novel "Batman: Dark Victory"

ジェフ・ローブ作&ティム・セイル画の『バットマン:ロング・ハロウィーン』は傑作でした。 バットマンの世界と本格殺人ミステリの融合は上出来で、最後まで楽しく読めたのです。 そのコンビによる続編『バットマン:ダークビクトリー』を読みました。 ゴッ…

The Power of the Dog

私とドン・ウィンズロウの出会いはご多分にもれず、少年探偵ニール・ケアリーを主人公としたハードボイルド・シリーズになります。 主人公に端を発する瑞々しさと同時に、殺伐とした世界を知ってしまう彼の心情が読者に伝わる好編揃いだったと記憶しています…

The Night Watch

サラ・ウォーターズの『夜愁』を読み終えました。 前作『荊の城』は傑作でしたし、その前の『半身』も奇妙な味で面白かった。 どちらもヴィクトリア朝を舞台にしたミステリの趣きの強い小説でした(当時の感想はこちらとこちら)。 本作は1940年代のロンドン…

"District 9" on Blu-ray Disc

本来は買うつもりのなかった『第9地区』Blu-ray Disc。 最近の売れ筋洋画BDでは増えつつある、BDとDVD-VIDEOの抱き合わせ商品でのリリースとなりました。 映画は劇場では鑑賞済みで、拙blogの記事にも、分館blogでのレヴューも書いています。 つまり大好きな…

Heart-Shaped Box

先週末の梅雨明けと同時に酷暑に苛まれている南関東ですので、ここは読んで涼めればとばかりに、ホラー小説でも紹介しましょう。 ジョー・ヒルの長編第1作『ハートシェイプト・ボックス』です。 この本を知ったのは、今は無きTBSラジオ番組『ストリーム』に…

暴走検察

西松建設事件を、検察対小沢一郎の権力闘争であると明快に記した好著です。 週刊文春で小林信彦が「必読」と書いていたそうですが、いやまったく、読むと今の日本の状況がよく分かります。 実際には大したことのない不動産の記載漏れにしか過ぎないのに、事…

World War Z: An Oral History of the Zombie War

久々に読んだ重量級ホラー大作として読み応えがあったので、ご紹介します。 マックス・ブルックスの『WORLD WAR Z』がそれです。 「Z」は「Zombie」のZ。 これは世界がゾンビ禍に覆われ、くぐり抜けた後に生き残った人々のインタヴュー集という体裁の本なの…

Batman: What Ever Happened to the Caped Crusader?

イギリスのファンタジー作家ニール・ゲイマンが日本で最初に紹介されたのは、確かグラフィック・ノヴェルの『サンドマン』だったかと思います。 表紙が好みだったので青山ブックセンターで手に取ったものの、本文の画が好みでなかったので、結局それだけでし…

ほうれん草とマッシュルームのキッシュ

来月で2歳になる娘が緑の野菜を食べてくれません。 いえ、保育園では残さず食べるのだそうです。 そこはプロである保育園もしくは保母さんたちのテクニックもあるようなのですが、少なくとも自宅では余り食べてくれません。 バランスキューブという、野菜を…

40 days dans le désert B

先日の六本木出張の際、当然のように青山ブックセンターに立ち寄りました。 ここはアート系の本が多いですからね。 以前にもご紹介した通り、手に取ってぱらぱらめくるだけでも楽しい本が多く、一度立ち寄ると強固な意思(もしくは都合)でも無い限り、何時…

生物と無生物のあいだ

この本を知ったのは、以前TBSラジオで放送されていた『ストリーム』に著者の福岡伸一が出ていた為です。 この人の話が面白かったので、今更ですが買って読んでみました。 科学ノンフィクション系にしては異例の売れ行きだったということですが、なるほど、実…