days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

book

The Axe

大好きな作家、故・ドナルド・E・ウェストレイクの10年程前の小説を面白く読みましたので、ご紹介しましょう。 殺人者の視点で描かれたノワールなのですが、この殺人の動機がかなり変わっていて、また現代的なのです。 ユニークな動機という点ではミステリ史…

Ray Bradbury Dies at 91

未見で溜まったBlu-ray Discを観るべく、三管の電源を入れてから、Twitterのタイムラインを見ていたら。 アメリカのSF/ファンタジー作家のレイ・ブラッドベリ死去のニュースが飛び込んで来ました。 91歳との事。 まだまだ執筆活動を続けていただけに残念です…

The Exorcist

先日の週末一泊キャンプの合間に、『バトル・オブ・エクソシスト──悪夢の25年間』を読了しました。 1973年公開の映画『エクソシスト』の製作過程や公開当時の評判、余波等を、監督ウィリアム・フリードキンと原作&脚本&製作者ウィリアム・ピーター・ブラッ…

Horns

ジョー・ヒルの第2長編作品『ホーンズ 角』を読了しました。 泥酔後のある朝起きてみると、イグの頭部には角が2本映えていました。 1年前、高校時代から10年間付き合った恋人メリンがレイプされ惨殺されて森で見つかった事件があり、それ以降のイグは街の住…

金環日食

久々の宇宙イヴェントである金環日食。 朝から日食観察用グラスを用いてご覧になった方もいらっしゃる事でしょう。 父の影響で子供の時分から宇宙好き、プレゼントに天体望遠鏡をもらって大喜びしていた者としては、見逃せません。 という筈でしたが、市販の…

ナカコナイト

ヒーローもしくはアイドルとは、人それぞれと思います。 私の小学校高学年から中学生の間のその1人が、当時映画ジャーナリストだった中子真治でした。 小学生の時分で既にSF映画好きだったので、図書館にあった大型本『超SF映画』も躊躇なく借りました。 こ…

別冊映画秘宝 衝撃の世界映画事件史

ロジャー・コーマンから個性的な映画人紹介、事件までを多数記載して面白いムック本です。 全体は2部構成になっていて、第1部が「映画業界の因習に歯向かうロジャー・コーマンと世界の独立独歩映画監督」。 第2部が「地獄の世界映画事件史」と銘打っています…

Pete's a Pizza

映画にもなった『シュレック』等で知られるウィリアム・スタイグ(1907-2003)の絵本、『ピッツァぼうや』(1998)を図書館から何気に借りて来ました。 短いものの、これが素晴らしい絵本でしたので紹介します。 雨で友達と外で遊べず不機嫌になったピート少…

Le Monde d'Edena

先月亡くなったフランスのコミックアーティスト、イラストレーター、デザイナーのメビウスことジャン・ジローの数少ない翻訳本の1つ、『エデナの世界』を読了しました。 いわゆるバンド・テシネですね。 読み始めて1か月程掛かりましたが、これは退屈だった…

遺体―震災、津波の果てに

3.11.を扱った本を読了しました。 著者はジャーナリストの石井光太です。 本の舞台になっているのは、津波で壊滅的被害を受けた岩手県釜石市。 そこでの遺体の捜索、収容、安置、検歯、保存、火葬…と、遺体に携わった人々を小説体で描いたノンフィクションで…

Drive

先日観た映画『ドライヴ』にノックアウトされたので、ジェイムズ・サリスの原作小説を読み始めたら、こちらもあっという間に読了しました。 これ、『ドライブ』の題で出ていて、熱帯雨林では投げ売り状態だった筈なのに、映画の日本公開が決まった途端に価格…

God is a Bullet

先日読んで感銘を受けた『音もなく少女は』のボストン・テランの処女作『神は銃弾』を読んでみました。 これも自宅にあったもの。 数年前にかなり話題になった本で、妻が買って読んでいましたが、感想を聞くと「気持ち悪い」と言っていました。 その事を訊く…

The Hobbit, or There and Back Again.

J・R・R・トールキンの名作『ホビットの冒険 オリジナル版』を読了しました。 古本で買ったまま数年以上ほったらかしていたので、ようやく、です。 今回読んだ動機は、無論、年末の映画公開に備えてというのもありますが、やはり幼少時に読んで楽しめた本を…

Woman

自宅にあったので何気なく読み始めたら止まらなくなった小説です。 ボストン・テランの『音もなく少女は』を読了しました。 世間ではミステリとして紹介されているようですが、確かにそのような要素はあるものの、ここは濃密な心理描写に浸りたいものです。 …

The Walking Dead 2

傑作コミック『ウォーキング・デッド』、待望の第2巻を読了しました。 本国版4-6巻を収録したA4サイズで400ページ以上の超大作です。 昨年10月に読んだ第1巻では続きが気になる終わり方でしたが、いやはや、待った甲斐がありました。 読み応え十分、読後の充…

Marvel Zombies

先日の旅行の際、就寝前にゆっくり読もうかと密輸した極悪ホラーアメコミ『マーベルゾンビーズ』。 ところが夜は「さっさと電灯を消しなさい」と妻に言われ、チェックアウト直前には娘に見つかってしまいました。 しかも娘は私の母に読んでもらおうとしてい…

映画は待ってくれる

丁度1年前に紹介した芝山幹郎の映画批評集『映画は遊んでくれる』と同じく、かつて『キネマ旬報』に連載されていたものを1冊にまとめたもの。 時代は『〜遊んでくれる』の前のものばかりで、1990年代前半のものが多いです。 著者は『週刊文春』の映画星取表…

Ghost World

ダニエル・クロウズのアメコミ『ゴーストワールド』を読みました。 これ、Twitterでお薦めされた本なのですよね。 以前出ていたものが再販されたのです。 2001年に映画化されて話題になった『ゴーストワールド』は未見です。 主役の内、片方のソーラ・バーチ…

日本中枢の崩壊

先日、経産省を退官した古賀茂明の著書を、元同僚の清水さんが貸してくれたので読んだら、あっという間に読了しました。 古賀茂明自信は天下り反対論者なので、当然ながらそんな事はしませんでした(天下り先の紹介はされたようですが)。 シンクタンクを立…

カレーの基本

コンビニで売っていたので思わず購入しましたよ。 580円と安価ながら実用性は高く、買って良かったです。 東京カリ〜番長・水野仁輔による10分で出来るカレーから、カレー大好きな森下千里のレシピ、スパイスの使いこなし、有名カレー店による南北インドのカ…

Shibumi

トレヴェニアンの名作『シブミ』上巻を読了しました。 小学生のときから気になっていた本です。 だって翻訳コーナーに「シブミ」ですよ!?、「シブミ」。 作者はトレヴェニアン…って苗字?名前? 後年、覆面作家と知り、本書が『アイガー・サンクション』と…

The Walking Dead

先日に引き続き、何だかゾンビ本づいていますが(^^; 昨年製作されたTVシリーズにハマって以来、首をず〜〜〜っと長くして待っていた、ロバート・カークマン原作、トニー・ムーア、チャーリー・アドラート画の文字通り待望の原作コミック『ウォーキング・デッ…

The Big Book of Zombie Films 2002-2010

『ゾンビ映画大マガジン』をよう〜〜〜〜〜〜やっと読了しました。 いやぁ、長かったです。 何かの合間合間に暇つぶしとばかりに読み進めていましたが、これだけ読み進めるのが大変だった映画ムック本も珍しい (^^; 本書は2002年から2010年までの間に製作さ…

だからテレビに嫌われる

堀江貴文&上杉隆の共著『だからテレビに嫌われる』を読了しました。 テレビというメディアの過去・現在・未来を語りつくした対談集です。 技術に詳しい元企業人と、ジャーナリストという2人の視点の交錯・違いが、すらすら読めて非常に面白い。 個人的には…

The Little Stranger

朦朧体で描かれたゴシック・ホラーを、まさか現代の小説で読めるとは思いもしませんでした。 サラ・ウォーターズの今のところの最新作『エアーズ家の没落』の事です。 第二次大戦直後、かつては栄華を誇った名家エアーズ家も広大なハンドレッド領主館に閉じ…

報道災害【原発編】事実を伝えないメディアの大罪

上杉隆と烏賀陽弘道の対談に、同じくフリージャーナリスト畠山理仁が前書きと構成を担当という、自由報道協会オールスター本(笑)です。 同時に、今、最も信頼出来るフリージャーナリストらによる力の入った本でもあります。 自由報道協会設立の意図の詳し…

Under the Dome: vol.2

以前ご紹介した上巻に引き続き、スティーヴン・キングの超大作『アンダー・ザ・ドーム』下巻を、数日前に読了していました。 旅行前に読み終えて良かった (^^; もし旅行に持って行ったら、かなりの荷物になっていたからです。 下巻のみでも700ページ。 あっ…

Book of the Dead

沖縄旅行中は、こんな本を読んでいました。 ジョン・スキップ&クレイグ・スペクター編によりホラー・アンソロジー、『死霊たちの宴』上下巻です。 収録されている作家はスティーヴン・キング、リチャード・レイモン、ラムジー・キャンベル、ロバート・R・マ…

Under the Dome: vol.1

スティーヴン・キングの大長編小説『アンダー・ザ・ドーム』上巻を、ようやっと読み終えました。 普通、拙blogで本をご紹介する場合は、全て読了後に感想を書いています。 ですが今回は特例です。 長編小説を読むのと映画を観るのとは、結婚に踏み切るのと似…

悪党−小沢一郎に仕えて

出版前から楽しみにしていた本ですが、何とよもやの品切れでどこの書店に行ってもありません。 増刷を待ってからの購入となりました。 まず目を引くのが大袈裟なまでの黒帯。 小沢の威圧的な目線がこちらに突き刺さります。 こりゃ「悪党」だよなと納得しま…